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安全装置

化学工業では危険物を扱うため、暴走反応や爆発、反応設備の破裂など大事故に至る可能性があります。もっとも危険な状況は設備中で暴走反応が起き、内部圧力が上昇、圧力容器が内部圧力に耐えられなくなし破裂するというパターンです。このような状況を回避するために、圧力容器には安全装置がつけられています。安全装置には具体的に安全弁と呼ばれるものと破裂板と呼ばれるものの2種類があります。

 

安全弁(逃がし弁)とは

圧力容器中の内部圧力が上昇した際に自動で圧力を放出し内部圧力を下げ、圧力容器の破損及び内容物の放出を防ぐ装置。安全弁は内部圧力の減少とともに自動で閉じる。安全弁の先には、フレア、フレームアレスター等が設置され可能な限り安全な形で内容物が放出されるよう設計される。

安全弁の構造

構造上、おもり安全弁、てこ安全弁、ばね安全弁の3種類に分類される。ばね安全弁は、弁が開いた時の吹き出し面積の最小部が、弁体と弁座間のカーテン面積である弁座部流路の揚程式と、弁座下方ののど部流路の全量式とに分類される。用途別には大分類として、蒸気用・ガス用・液体用があり、各配管径に対応できるようになっている。圧力上昇時に一気に開くこと(ホッピング)ができるようになっている

 

ja.wikipedia.org

 

破裂版(ラプチャーディスク)とは

圧力容器中の内部圧力が設計より上昇した際に破裂し内部圧力を放出することで、容器の破損及び内容物の放出を防ぐ装置。圧力容器の設計圧力よりも低い圧力で破裂するようにできている。一度破裂した破裂板は交換が必要。

破裂板の構造

破裂板(ラプチャーディスク)は、破裂板の他に、破裂板を保持し配管または装置に取付けるためのホルダー、負圧時のバキュームに対して破裂板を支えるバキュームサポートなどで構成されています。破裂板は設置時の締め付け方法や圧によって設計圧力よりも低い圧力で破裂してしまうことがありますので、取り付け問うには十分注意が必要です。

 

www.bsb-systems.jp

 

安全弁と破裂板の併用

ベント側に安全弁、圧力容器側に破裂板を設置し併用することがあります。これは通常の作業の中で内容物により安全弁が腐食しさどうしなくなることを防ぐためです。一方安全弁と破裂板の間に圧力計等を設置することで、破裂板が破裂していないかモニターすることができます。