圧力容器
化学工場では様々な圧力容器が使われています。圧力容器は扱い方を間違えるととても危険であるため、ルールが定められており、遵守しなければ操業できなくなってしまいます。ここでは大まかな決まりについてまとめています。
圧力容器とは?
圧力容器は「大気圧と異なる一定の圧力で気体や液体を貯留するように設計された容器」のことです。ガスボンベや蒸気ボイラー、コンプレッサーの出口に設置される圧縮空気タンクなどもこれに当てはまります。内圧が大気圧より高い機器が、万一破裂すると甚大な被害が発生します。なので設計基準がJIS規格で決められている、設置や製造の際に都道府県労働局の検査が必要、定期点検を実施が必要といった規制があります。
高圧ガス保安法と労働安全衛生法
1MPa以上の気体、0.2MPa以上の大気圧の沸点を超える温度の液体(飽和液)は高圧ガス保安法、それ以下は労働安全衛生法で管理となる。労働安全衛生法の対象となる圧力容器のうち、
第一種圧力容器・・・大気圧の沸点を超える温度の液体(飽和液)
第二種圧力容器・・・気体(ガス)
第1種圧力容器のうち、
最高使用圧力をP(MPa)内容積をV(m3)とすると両方の積によって次のように分けられています。
•PV > 0.02 ⇒ 第一種圧力容器
•0.004 < PV ≦ 0.02 ⇒ 小型圧力容器
•0.001 < PV ≦ 0.004 ⇒ 簡易容器
•PV ≦ 0.001 ⇒ 適用外
最高使用圧力というのは、通常で使用する圧力ではなく、構造上それ以上にならないという圧力です。安全弁が設置されている場合は、安全弁の設定圧力が最高使用圧力になります。
第2種圧力容器のうち
設計圧力が0.2Mpa以下は簡易容器に該当します。
点検頻度
高圧ガス保安法・・・年に1回
第一種圧力容器・・・年に一回、都道府県労働局などによる検査が必要
小型圧力容器・・・年に一回、自主点検の義務がある
第二種圧力容器・・・年に一回の自主点検の義務がある
簡易容器・・・特になし